高くなりやすい暖房代の節約方法
冷房代より高くなりがちな暖房代
冬が訪れると、多くの家庭では暖房が欠かせません。
しかし、驚くかもしれませんが、冷房代よりも高くつくことがあるのが暖房代です。この現象にはいくつかの理由があります。
まず、冷房と暖房のエネルギー効率の違いが挙げられます。
冷房は室外からの熱を室内から排除することが主な仕事であり、外部の冷たい空気を利用して室温を下げるため、比較的少ないエネルギーで効果を発揮します。
一方、暖房は室内に熱を供給するため、外部からの寒冷な空気を温めるため、このプロセスは冷房よりも多くのエネルギーを必要とするわけです。
また、多くの住宅では断熱性能が冷房に比べて暖房の方が劣っていることがあります。
冷房では室内の冷気を外部に逃さないように十分な断熱が求められますが、寒冷地域ではそれが不足していることがあり、暖房の効果が逃げやすくなります。
そのため、暖房の効率向上のためには、断熱性能を向上させる工夫が必要です。
さらに、気温差による影響も大きいです。冷房の場合、室内外の温度差が広がりすぎないように設定すれば、エネルギーの節約が可能です。
しかし、寒冷地域では室内外の温度差が大きくなることが避けられず、それに伴ってエネルギー消費も増加します。
これらの理由から、暖房代が冷房代よりも高くつくことがよくあります。
住宅のエネルギー使用においては、効率的な断熱や省エネルギー設備の導入が重要です。また、日常の生活習慣や温度設定の工夫も、光熱費の節約に寄与します。
冷房だけでなく、暖房においてもエネルギーの効率的な利用を心がけ、温暖な室内環境を築くことが求められます。
電気代の計算方法
電気代の計算方法は、一般的に次のステップに従います。電気代は通常「kWh(キロワット時)」単位で請求されます。以下に、電気代の計算方法を示します。
電力使用量の確認
まず、使用した電力量(kWh)を確認します。電気メーターには通常、使用した電力量が記録されています。電力会社の請求書にも、使用した電力量が記載されているはずです。
単価の確認
電気代の単価(1kWhあたりの料金)は、電力会社によって異なります。請求書や電力会社のウェブサイトを確認して、1kWhあたりの単価を探します。
電気代の計算
使用した電力量(kWh)に単価(1kWhあたりの料金)を掛けて、電気代を計算します。以下が計算式です。
電気代 = 使用した電力量 (kWh) × 1kWhあたりの単価
例えば、100kWh使用し、1kWhあたりの単価が25円ならば、電気代は「100kWh × 25円/kWh = 2500円」となります。
追加料金や割引の考慮
電力会社によっては、追加の料金や割引が適用される場合があります。これらの要素も計算に含めて、最終的な電気代を確認しましょう。
注意点として、変動電流やピーク時の利用などによっても電気代が変動することがあります。
電気使用パターンや契約条件によっても影響が出るため、詳細な料金プランや請求書を確認することが重要です。
電気代の節約や効率的な使用を心がけることも、経済的で環境にも優しい選択です。
暖房器具ごとの電気代比較表
以下の表は、暖房器具ごとの特徴と電気代を比較したものです。
暖房器具 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|
エアコン | 約3.2円~45.9円 |
セラミックファンヒーター | 約強37.2円/弱17.1円 |
オイルヒーター | 約16.1円(10畳)/12.6円(8畳)/9.9円(6畳) |
電気ストーブ(ハロゲンヒーター) | 強(1200W)37.2円/弱(800W)24.8円 |
なお、この表はあくまで目安であり、実際の電気代は使用状況や設定温度によって異なります。また、電気代以外にも暖める範囲・暖まる速さ・初期費用にも注目することが大切です
参考:【2023年最新版】電気代の安い暖房器具を知って暖房費を節約しよう!
冬の暖房費を節約するには
冬季は、家庭の快適さを保ちながら暖房費を抑えることが大切です。多くの家庭で高額になりがちな暖房費は、いくつかの方法で削減することができます。
以下に、寒い季節でも温もりを保ちつつ、財布に優しい環境を作るためのヒントを項目別にご紹介します。
断熱の改善
冷気が室内に侵入しないようにすることが大切です。窓やドアの隙間をふさいで断熱し、窓には重いカーテンや断熱フィルムを取り付けましょう。
床下や天井の断熱材の充実も効果的です。これにより、暖房の熱が室外に逃げにくくなります。
室温の適正設定
室温を適正な範囲に設定することで、無駄なエネルギーの使用を防ぎます。
適切な温度は、18度から20度程度とされています。あくまで暖房設定温度ではなく室温の目安ですので、それを考慮してエアコンの温度設定をしてみましょう。
また、寝る際には暖房を抑え、暖かい寝具を利用することで節約が可能です。
エネルギー効率の高い暖房機器の選定
暖房器具の選定も重要です。エネルギー効率の高いヒーターやエアコンを選ぶことで、同じ暖房効果を得ながら電気代を節約できます。
また、暖房機器の定期的なメンテナンスも効果的です。
着るもので調整する
暖房器具を使うときに試してほしいのは、肌にピッタリなアンダーウェアなどを身に着けて体を温めることです。
大切なのは、お腹を冷やさないこと。お腹にはたくさんの血管が集まっているので、冷えると血行が悪くなり、身体全体が冷える原因になります。
身体が冷えると、血の巡りが悪くなり手足が冷たくなったり、肩こりの原因にもなります。
腹巻やひざ掛けでお腹を暖めることで、血行が良くなり、身体全体が温まってきます。
同様に、身体を冷やさないようにするためには、首や足首、腰まわりを温めるのも効果的です。レッグウォーマーやネックウォーマーなどを効果的に利用しましょう。
防寒グッズを使うことで、暖房器具の利用時間が短くなり、設定温度を下げても快適に過ごせたりして、電気代を節約できるようになります。
これらの対策を組み合わせることで、冬季の暖房代を効果的に節約することができます。無駄なエネルギーの使用を避け、快適な生活を維持しつつ、家計にもやさしい方法です。
エアコン暖房の効率的な使い方と節約術
上記にあるように環境省が暖房時の室温の目安として20℃を推奨しています。
ただ、実際には人それぞれで、20度だとちょっと肌寒く感じることもあるでしょう。また、暖房の設定温度を上げても、なかなか快適な温度にならないこともありますね。
エアコンの温度設定はもちろん大切ですが、快適に冬を過ごすには他にも気を付けるべきポイントがあります。
暖房の電気代を節約しつつ、快適に冬を楽しむための7つの方法をご紹介します。
エアコンは自動運転で運転する
自動運転機能は、部屋の温度を感知して適切な運転モードに調整されます。部屋が適切な温度に達すると、エアコンは運転を抑えるため、無駄なエネルギーの使用を減らすことができ、節約になります。
エアコンの風は下向きに調整する
暖かい空気は上のほうにたまるので、エアコンの風向きは下向きに設定しましょう。
ただし、センサーで風向きを変える機能を持つ機種の場合、自動コントロールモードが最適です。
サーキュレーターや扇風機を使って空気を循環させる
暖房をつけても足元が寒いことがありますね。なぜかというと、暖かい空気は上にたまりやすいからです。
そこでおすすめなのが、サーキュレーターを使って暖かい空気を部屋に行き渡らせる方法です。これによって、天井に溜まっていた暖気が部屋中にめぐり、温度が均一になります。
サーキュレーターを使うと、設定温度を上げずに部屋全体を暖かく保つことができます。これにより、電気代を節約できますよ。
窓に断熱加工をする
部屋の中の温かい空気は、窓から外に逃げてしまいます。また、窓は外から冷たい空気を取り込んでしまいます。
おすすめなのが窓ガラスに貼ることで断熱効果を高めるフィルムです。室内の熱を逃がしにくくします。
他にも断熱性の高いカーテンやブラインドを選ぶことも有効です。
加湿する
寒い冬はエアコンの暖房で部屋がカラッと乾燥しがちです。湿度が10%下がると、感じる温かさも1℃下がるんだとか。だから、湿度を保つことが大事なのです。
湿度を上げるためには加湿器が効果的で、他にもいろいろな方法があります。冬の湿度ケアを工夫して、快適な空間を作りましょう。
こまめなフィルターの掃除
エアコンのフィルターが汚れると、エアコンの性能が下がり、電気代も余分にかかってしまいます。
だから、2週間に1度はフィルターをきれいにしましょう。
フィルターのお手入れはちょっと面倒くさいかもしれませんが、普段の掃除のついでにホコリを吸い取ってしまえば、そこまで大変じゃないですよ。
室外機周りに物を置かない
エアコンの室外機の周りに物を置くと、暖房の力が弱まってしまいます。外の機械の周りには気をつけましょう。
特に雪の多い地域では、雪が外の機械の周りに積もったり、外の機械に雪が入ってしまったりすると、暖房の効きが悪くなります。
雪がたまりにくいように工夫することも大切です。市販されている防雪フードや防雪ネットも役立ちます。
古いエアコンは買い替えたほうが結果的に節約になります
新しいエアコンは冷暖房の効率がかなり向上しています。だから、古いモデルを使っていると、それが原因で電気代が高くなっていることがあります。
例えば、2010年に作られたシャープのエアコン(8~12畳用)を、最新の同じ広さを冷暖房できる「SHARP AY-N28X-W」に買い替えると、年間で消費電力が153kWhも減り、約4,140円も節約できるのです。
エアコンは通常10年くらい使うことができますが、夏や冬に壊れると、暑い夏や寒い冬を過ごすことになってしまいます。
そのため、少し早めに新しいものに変えることも考えておくといいですよ。